涅槃姫みどろ 厄の29(単行本4巻第弐拾八夜) 「追跡者」
 扉絵は後ろ向きのみどろさんが振り向きこちらに手をかざすとゆう動作のスローモーションカットである。この間わずか、1ミリ秒である。(嘘)

 
 「え、みどろなんてしらないわよ」
 記者の質問に困惑げに答える女子高生。
 しかし、記者は執拗に質問を続ける。彼は一年前、失踪した叔父の行方をさがしており、古書好きの叔父が最後に残した走り書きのメモ「みどろから入手せねば」を手がかりに取材をはじめていたのだ。
 酒井梅安の甥っ子キターーー!
 
 そのメモをみた女子高生が思い出します。
 修学旅行の夜に行われた怪談大会のさなか、一人の女子高生が裏返るように破裂したことを。そのとき怪談に加わった転校生こそ「みどろ」であることを。
 「みどろというのは女子高生なんだな」
 記者の追究に対して忘れていた忌まわしい過去を思い出した女子高生は気分が悪いといって立ち去ります。
 
 続いて記者が現れたのは、とある高校の新聞部。
 半年前に事故死した部長のあとを継いだ新部長の記憶もどこか曖昧です。
 みどろさんが担当した占いコーナーの掲載された学校新聞のバックナンバーも消失し、部員名簿にものっていないという文字通りの幽霊部員だったことが判明します。
 しかし、このとき記者はみどろさんがなにか不思議な出来事を引き起こすとき、なぞめいた言葉を発するという重要な手がかりを得ます。
 
 
 続いて記者が現れたのは、以前みどろさんにひどい目にあわされた女子バレー界の寵児オヅちゃんです。彼女は何か知っているようですが、何もしゃべりません。
 ちなみにこのとき記者は、「ここにはとんでもなく大規模な陰謀が隠されているかもしれないんですよ」と発言します。どこでどう間違えてこういう解釈にたどりついたのか謎です。


 続いて記者が訪れたのは、インチキ霊能者として売り出され、やっぱりひどい目にあった、ニールセン高杉の住む寒村です。彼は何もかも失ったどころか借金まみれになり、やさぐれて酒びたりの生活を送っていたのです。
 記者がみどろさんのある言葉について訊ねると、絶叫して家に閉じこもってしまします。
 ドアの外から問いかける記者。
 「ようやくいろいろとわかりつつあるんです。今、全国で起こっている謎の失踪事件のカギはみどろという女性が放つ一言なのです。
 ところが、みどろのことはおぼろげに覚えていても誰もその言葉を覚えていない。その一言こそがこの恐るべき陰謀を解き明かすためのキーワードになるハズ」
 誇大妄想ここに極まれり。
 しかし、帰ってきた言葉は、
 「ぷっぷくぷ〜!」 
 どうやら高杉はすでにあちら側の世界にいってしまったようです。
 しかし、最後に「ね・・・はんを求めよ・・・」とそれらしい一言を言い残すのでした。
 
 
 そして、何気にみどろさんのお気に入りのラーメン屋で夕食を済ました記者は、タクシーを呼びます。何気にこの記者は勘がいいですね。
 タクシーの運転手に話しかけられ、自分自身の取材結果を語り始めます。
 そして、キーワードとなる最後の一言がどうしてもわからないということも。
 ところが、運転手は知っていた。
 ゆっくり振り向くと(前、前をみて〜)一言。
 厄いわよ」
 ギャー。運転手はあしゅら執事だったのか!(いやバレバレだったけど)どうやらみどろさんのコスプレ癖が執事にも伝染したようですね。


 タクシーを降りるよう促すあしゅら執事。
 降りたところは不思議な空間。天地は果てしなく広がりあるのは奇岩のみ。
 涅槃空間にひきずりこめ・・・。涅槃空間では涅槃の住人は通常の3倍のパワーを発揮するのだ。(嘘) 

 
 「なんだここは!なにもないじゃないか」と驚く記者に「涅槃です」とだけ告げて発車してしまうあしゅら執事。
 こんなところにおいてかれてはたまらないと、タクシーの後を追いかけようとする記者をあざ笑うかのように世界はブラックアウト!
 「ギャアア」と絶叫する記者がみたものとはなにか?


 「何これぇ〜」「気持ち悪い」所変わって、リビングでDVD鑑賞をしている女子高生の集まり。みていたのは「本当にあった呪われた映像」というDVD。
 どうやら今までの記者の話はこのDVDに収録された話だったというメタなオチです。
 「でも、このシリーズの映像って本当なの?」と素朴な疑問に座敷童子のごとく(いやむしろ、ぬらりひょん)その場になじんでいるみどろさん
 「それがいいんじゃない」と答えにならない答えを返すのでした。


 そして、別の女子高生が「もう一本かりてんるんだけどみる?」と問いかけると、他の女子高生達は「みる〜」と声をあわせて答えるのでした。
 おかあさん、今日も日本は平和です。




「厄さ」「厄さ」ってなんだ?ふりむかないことさ!
「涅槃」ってなんだ?ためらわないことさ〜

 とゆうわけで、いままで出てきた人達のその後が垣間見える、外伝的な内容のお話でした。比較的ハッピーエンドだった高杉のやさぐれ具合が凄かったですね。
 じつは、この人は何話にでて、とか調べようかと思ったのですが、あまりにもめんどくさいのでやめました。
 ところで、記者はなんでラーフラさんのところに行かなかったのかが、不思議です。多分あることないことしゃべりまくってくれると思うのに・・・。


 最後に私信です。
 Sinsenへ
 来週号の全員プレゼントのテレカはもちろん厄さの漂う「みどろさん」狙いです。でも、「サナギさん」もちょっと気になります。