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- 作者: 京極夏彦
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2006/09/27
- メディア: 新書
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いろいろあって2年近く積んでいたけれど、試験が終わったのでやっと読むことが出来ました。
外伝的内容を除けばシリーズも8作目。巻を重ねるごとにページ数が増えていきついに800ページを超えました。
日本の製本技術に不可能はないんだなあ、と妙なところで感心してしまいます。
そんなわけで累計で5000ページは軽く超えているシリーズなんで、細かい部分ははしょって感想というよりも印象という感じで書こうと思います。
物語は連続毒殺事件を追って右往左往する警官たちを中心に描かれており、こんなに長くなったのも若い警官の青木や探偵見習いの益田といった今まで脇役扱いされていた登場人物が中心となって事件を追っているせいなのかなあと思いました。
といっても木場や榎木津が早めにでたら事件はもっと早い段階で終わっていたのではないかという気もします。
ただ今回は榎木津にまつわる事件のため、榎木津のテンションはいつもより低くて読んでいて痛々しくなります。
実際、真犯人の動機もそんな程度のことなの?といつものごとく驚くやら呆れるやらするようなことなんだけれども、誰でも手軽に使用可能な毒薬という小道具の特長が連鎖的に事件を拡大させたのはわからなくもないです。
そんな毒薬をもっていたら確かに邪のモノに魅せられたような気になると思います。
でも救いようのない話なんだけど、ところどころ笑えるところがあって、特に作中でも莫迦だ愚鈍だとさんざんないわれようだった、元警官の大鷹が最後の方では愛しくすら思えてきました。いやへんな人だったよ。
あと公安の郷嶋なんかもいい味だしていて、今回は警官が大活躍の話だったように思います。
やっぱり全然まとまらないのだけれど、次の「鵺の碑」も楽しみにしています。