少女には向かない職業 (ミステリ・フロンティア)

少女には向かない職業 (ミステリ・フロンティア)

「ストーリー」
 主人公の大西葵は中学2年の女の子。
 酒びたりで暴力をふるう義父に日々憎しみを抱いていたが、宮乃下静香というの不思議系少女と仲良くなり、彼女のアドバイスに従い義父を殺してしまう。
 「あたしにも殺したい人がいるの。こんどは葵があたしに協力する番だからね」
 そういう静香と葵の奇妙な共犯関係者の物語。



 「感想」
 共犯意識でなぐさめあうつもりだにゃー、本当に友情なのかい?
 とネコのドルバッキーならいいそうだけど、ネコの目のようにコロコロ変わる少女二人の思いとか力関係とかが、やるせねーなー、って感じです。
 葵の一人称で話が進んでいくため、静香の提案する殺害方法はなんだかミステリアスのようにみえるけれども、やはり冷静になって考えるとやはり稚拙ではある。
 もちろんこれは世界と自分が未分化な中二の女の子が考えだしたことだからです。
 そして、そんな主人公達にいまだに現役中二病全開フルスロットルな私は共感を覚えたりやっぱり違和感を感じたりするわけです。
 まあ、世の中の出来事は全て共感と違和感でできあがってるといってもいいと思うので、そういう意味ではとてもリアルなお話だと思います。
 

 さて静香は修学旅行で同じお土産屋で購入した武器(こう書くとすげえ間抜けだ。中学生だからね)を最後の犯行で使うようにいうけれども、よく考えたら二人の共同作業は殺人だけだったので、もしかしたら二人のつながりだと感じていたのかもしれません。