ぼくたちのアニメ史 (岩波ジュニア新書)

ぼくたちのアニメ史 (岩波ジュニア新書)

 推理小説家そしてアニメ脚本家として知られる辻真先先生が語る日本のテレビアニメの歴史。
 なにしろ「鉄腕アトム」や「エイトマン」などといったテレビアニメの黎明期(混沌期?)から脚本家として活躍されていた方ですから、その当時のアニメ業界の熱気というか無茶っぷりについて書かれています。
 ともすれば自慢話ともとれるような主観まるだしのエピソードも出てきますが・・・
自慢してください!自慢するだけの仕事はなさってます。
 その後、アニメの脚本家として第一線で活躍されていた頃の思い出話など書かれていますが、この本の一番凄いところはごく最近のアニメについても触れていることです。
 そして、70歳を超えた辻先生が一アニメファンとして「ひぐらしの打ち切りはけしからん」とか「電脳コイルは傑作だ!」とか書いちゃっているところが何よりスゴイです。
 「ぼくたちのアニメ史」というタイトルから考えたら客観性が欠けるところも多いですが、それゆえに半世紀以上アニメを好きでいる辻先生の思いがひしひしと伝わってきます。
 俺もこんなおじいちゃんになりたいなあ、と思いました。