「ストーリー」
 母は亡くなり父は蒸発、唯一保護者とよべる兄はチンピラまがいという薄幸の少女初子は、高校進学もままならず夢も希望もなく「赤毛のアン」が大嫌い。
 そんな初子に思いを寄せる少年との関係を中心に、初子の波乱万丈のような、そうでもないような青春の一ページを描いた映画。


「感想」
文化の日」だからというわけではないですが、映画「赤い文化住宅の初子」をみてきました。
 なんでこんなに不幸なんじゃあと、初子の境遇に涙しました。
 時代は平成のはずなのに初子の住んでいる文化住宅だけは、昭和で時間がとまっているように思いました。全部、貧乏がわるいんじゃ。
 それでも原作どおりに救いのある終わり方でよかったです。
 4章構成の原作は短編構成だったため、話がぶつ切りだったけれども、映画では原作の雰囲気を損なわずに各エピソードをうまくつなげたり登場人物を掘り下げたりしていてよかったです。
 特にやさぐれた兄ちゃん(ハリケンレッドの人でした)と、一緒にあやとりをするシーンは涙なしではみれませんでした。この平成の世にあやとり!?
 でもすごくはまってました。
 前半では生活能力皆無のひどい兄ちゃんだと思わせといて、ちゃんと妹に愛情をもっているのがわかるすばらしいシーンです。
 また、原作ではほんの脇役だった担任の先生もいい味付けがされていて、ダメな大人なんだけれども、憎めないキャラになっているように思います。
 というか初子のまわりの大人ってたいがい愛すべきダメ人間のような気がします。
 いや松田洋子作品の大人ってたいがいそうだな。
 そんな大人に囲まれて、それでも希望をもって終わることができた初子の今後の幸せを願ってやまないわけです。

 あと、この作品は日本一汚い方言といわれる福山弁が使われています。
 一応上映前に原作を読み返したのですが、「やっちもない」とか普通に使われていて、普通に読んでましたが考えてみたらバリバリの福山限定の方言でした。
 そうした福山弁をきちんと役者さんがつかっていたのが個人的にすごくうれしかったです。
 
 
 
 上映終了後、舞台あいさつにこられた松田洋子先生にサインをいただきました。
 ありがとうございます。宝物にします。
まほおつかいミミッチ 1 (IKKI COMICS)まほおつかいミミッチ 2 (IKKI COMICS)まほおつかいミミッチ 3 (IKKI COMICS)
映画館の売店で探していた「まほおつかいミミッチ」が全巻そろっていたので、当然買いました。 
 この作品も愛すべき(?)ダメな大人に振り回される女の子の話ですね。