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福山市内にある広島県立歴史博物館の特別展にいってきました。
江戸時代の妖怪絵巻「稲生物怪録」の実物展示ということで大喜びです。ヒャッホウ!
「稲生物怪録」ははてなのキーワードにものってますが、広島県三次市で稲生平太郎という16歳の少年の身に起きた30日間の怪異現象を描いたもので、その後さまざまな伝奇的要素を含む小説や漫画の題材にされたりしています。
漫画「朝霧の巫女」なんかはまんま「平成稲生物怪録」と銘うってますね。
30日間化け物が現れたり、ポルターガイストみたいな怪異がつぎつぎおきますが(中には美女が餅菓子をもってきたなんてのもあります)平太郎は平然と対応します。そして絵巻の最後に山ン本五郎佐衛門(表記には諸説あります)と名乗る魔物の親分がでてきてことのてん末を語ります。
なんでも山ン本五郎佐衛門のライバルで同じく魔物の親分である神ン野悪五郎(やっぱり表記については諸説あり)とどっちが本当に強い魔王か決着をつけるため、天下無敵の未成年様である剛胆な16歳の少年100人をどっちが先に驚かすかという勝負をしており、平太郎はその戦いに巻き込まれたということでした。
迷惑な話だな、オイ!
オートボットとディセプティコン以上に迷惑だよ!
トランスフォーマーだと善と悪の2勢力の争いだけど、こちらは両方とも悪者の陣営だから、巻き込まれたほうはたまったもんじゃありません。でも、よく考えたら、善悪2元論で割り切れることなんて、まずありえないわけで、そういう意味では魔王同士の戦いというのは一種のリアリティがあるようなきもします。
「戦争はいかんよ、腹が減る」
映画「妖怪大戦争(平成版)」ではこの二人の魔王を従えた妖怪大翁なる妖怪がそういってますが、全くその通りだと思います。
ちなみに妖怪大翁を水木しげる先生が、山ン本五郎佐衛門を荒俣宏先生、神ン野悪五郎を京極夏彦先生が演じておられます。なんだか3人の力関係がわかりますね。
とまあ、そんなわけで、有名な妖怪絵巻の実物がみれてとてもうれしいジェイソンなのでした。
なお、本日の日記をかくにあたり「季刊怪 (第5号) (カドカワムック)」を参考にさせていただきました。
ところで、栃木県宇都宮市に「うつのみや妖精ミュージアム」なるものができたそうで、機会があればぜひ行って見たいものだとおもっています。
http://www2.ucatv.ne.jp/~ufairy-m/
「水木しげる記念館」には米子にいたころはよく行ったけど、そういう感じなんでしょうか?
http://www.sakaiminato.net/mizuki/