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涅槃姫みどろ 厄の36「腐った果実」
カキン!カキン!カキン!タッタッタッタッタッ!ズザザァ〜!ワアァァ!ドンドンドンドンドン!(SE)
そういや、センチメンタルバスって一発屋でしたね・・・。
今週のみどろさんは女子ソフトボールの試合から始まります。
投げたピッチャーの球をバッターは空振り。キャッチャーのもとにかけよるピッチャー。
キャッチャーマスクをとってサムズアップで応えるのは、例によってみどろさん。さりげないグローブのアップリケ(あしゅら執事の顔)とヘルメットに刻まれた4の数字がなんとも厄い。
扉絵だけで読者を涅槃に導いてくれそうです。
「あ〜また!全然ダメじゃない!」
そうダメ出しするのは顧問の先生。彼女は選手達の不甲斐なさに練習時間延長を言い渡します。選手からあがる不満の声も「何?文句あるの?」と一喝します。
しかし、「かんと〜く!私バイトがあるんでそろそろ帰りまーす」といいだしたのは、ピッチャーの高杉さん。
いかにもギャル入ってるってかんじ?な高杉さんは顧問のヒステリーも柳に風と受け流して、
「どっちかっつーとバイト優先かな、みたいな。そんな素振りとかするためにソフトやってるわけじゃないし、それじゃ私帰るから」と言い残して帰ってしまいます。
高杉さんの後姿を歯ぎしりしながら見つめる顧問の先生。
それから高杉さんに合わせるかのように数人の生徒も帰りだします。
「また、こんな展開・・・。」
顧問の先生は残った部員に「私がいいって言うまで素振りのセット練習を続けなさい!」と逆ギレして選手達に言い渡すと、みどろさんだけを呼び出します。
顧問の先生はタバコに火をつけるとくわえタバコのままみどろさんにボールを投げます。
「うまくキャッチャーになりすましていたわね」シュッ
ボールをキャッチするみどろさん。パシィ
顧問の突然の発言にちょっと困惑気味です。
ボールを返すみどろさんに顧問の先生はいいます。シュッ
「ふふふ、あなた最近噂のアレでしょ。」パシッ
ボールをキャッチする先生。
「人知れず学校から学校へと渡り歩き人々の恨みを呪術で晴らしていくという・・・」
突然速球を投げる先生。
「闇の仕事師みどろ」
バシッ
思わずボールを取りこぼすみどろさん。
「意表をつかれたわ・・・」そういいながらボールを拾うみどろさん。再びボールを返すみどろさん。シュッ
「たしかに何となくあなたはこの学校にいた事になっていたわ」ボールをキャッチして自分の推理を披露する顧問の先生。
自宅で選手達の個別練習方法を考えていて、みどろさんについてだけは一度も練習方法を考えた記憶がないことを告げます。
「どんなオカルトだか知らないけど、元国体選手だったこの私のカンだけはごまかせなかったという事ね」ボールをもてあそびながら勝ち誇る先生。
「なるほど・・・。」というみどろさんはちょっと悔しそう。
突然、先生から 放たれる剛速球!ビシュ
今度は見事にうけとめるみどろさん。バシィ
みどろさんがキャッチするやいなや、本題にはいる先生。
「私はチームに漂っている空気の流れを変えたいの」
みどろさんのグローブからはブスブスとグローブの皮の焦げる音が聞こえてきます。元国体選手スゲエ!
先生は今のチームの潜在的な能力が高いにもかかわらず練習試合にほとんど勝てないという状況を分析していいます。
「頑張らない空気が蔓延しているからよ。その原因は・・・そう、腐ったリンゴね!それが一つあるだけで周囲のリンゴも徐々に腐っていくのよ!
腐ったリンゴを潰して頂戴!!心を鬼にしてあなたにお願いするわ」
「・・・目的は?」そう聞き返すみどろさん。
「・・・チームの勝利。チームが強くなるためなら私は鬼になれる。もしやってくれるならあなたの秘密は永遠に自分の胸の奥にしまっておく。どう?」
そう条件を提示する先生に、みどろさんは「いいわ」と承諾します。
みどろさんは先生の指示に従い練習する部員達に目をむけると、スッと手をかざしていいます。
「チームの勝利のため・・・。厄いわ」
前髪に隠れた左目がキラリと輝く。
「え?やくい?・・・あなた国語の授業ちゃんと出たほうがいいわよ」
お決まりの問いかけをする先生に対してみどろさんは「ふふふ」と不敵に笑うのでした。
その後、顧問の先生はタバコをすいながら帰っていると、腐ったリンゴと断定した高杉さんを街角でみかけます。
すると、工事現場の鉄骨が高杉さんめがけて落下します。
しかし、高杉さんは奇跡的に無傷です。
「はあ、何よ。何やってるのよ!」思い切り落胆する顧問の先生。どう見ても私怨です。
しかし、そんな先生に「あんたこそ何やってるんだ!タバコ消せよ!」と声がかかります。
気付けば先生は給油中のガソリンスタンドのなかにいました。
「人が給油してるとこに火もって来るなっての!」
「ギャッ!いつの間に」気付けよ!
「け、消さなきゃ」そう慌てるも間が悪く風が吹きタバコの火の粉は給油口の中にはいります。
ドガァァン
顧問の先生爆死!
その後、不慮の事故で顧問の先生を失ったチームは一丸となりインターハイを優勝で飾ります。
「天国の監督に素晴らしいプレイを見せたい!そのために私たちは一つになって頑張ってきました!」
と殊勝なことをいう高杉さん。
はからずも顧問の先生の死がチームの勝利に貢献したわけです。なんとゆう皮肉な運命でしょう。
そこに、もう転校してしまったみどろさんがいつものお嬢様スタイルでやってきます。差し入れに持ってきたのはアップルパイ!
「ふふふ、よく焼けてるわ」と意味深なセリフをいうみどろさん。
人肉入りじゃなきゃいいんだけどね・・・。
いきなり「闇の仕事師」とかいわれてこっちがビビった。
作中ではすでにみどろさんは都市伝説になってるんでしょうか?
謎に迫ったものは殺されるっていうのはホラーの定番な気もしますが、先週今週とまともなホラー漫画みたいでちょっと驚きです。
ところで、京極堂シリーズの受け売りですが、日本でいう鬼は虎のパンツで牛の角を持った化け物ですが、中国では鬼は死者そのものをさすそうです。
今回、顧問の先生が「私は鬼になれる」といったときにもう死亡フラグがたっていたんじゃないでしょうか?
言霊っておそろしいのね。くわばら、くわばら。