涅槃姫みどろ  厄の22(単行本3巻第弐拾五夜)
           「殉愛」

 ラグビー部に所属するシロー君は、メル友の友梨さんから上京の知らせを受けてあせります。
 そう、彼は自分の写真と称してイケメンのいとこの写真を送っていたのです。発想がのび太くんレベルですね。
 助けて、ドラえもん。でも、現実にはドラえもんなんていません。そこで、はたと気付きます。
 「そういえば、うちのマネージャーが・・・」
 ガチャ。部室の扉をあけるとそこには、
 ヤカンをもってジャージ姿のみどろさんがいたのでした。
 もう、普段着コレなんじゃないの?っていうくらい、学校指定の野暮ったいジャージの似合うこと、似合うこと。ワタクシ、数分間爆笑して息ができませんでした。

 さて、シロー君はみどろさんにお願いして、デート当日一日だけイケメンの姿にしてもらうことになりました。
 みどろさんは「ぴったり12時の元の姿に戻るから気をつけなさい」と警告を発し不敵に笑うのでした。ヤカンをもったまま・・・。
 なお、余談ですが、ラグビーで倒れた選手などにぶっかける気付けの水は魔法の水とも呼ばれています。みどろさんはヤカンの中にどんな水を入れていたのか考えると、怖い!もうヤカンでお茶飲めない!
 
 閑話休題(それはともかく)
 イケメン姿になったシロー君は友梨さんと出会います。
 普段は妙なキャラばっかり書いてますが、この漫画の作画さん、正統派美少女の絵もなかなかかわいいです。
 順調にデートが進んでいるかにみえますが、シロー君の気持ちは晴れません。やはりだましていることに罪悪感を覚えているようです。
 時はもうすぐ12時。みどろさんとの約束の時間です。
 シロー君は意を決して、魔術でイケメンにしてもらったことを告白しようとします。しかし、彼女は12時前になるとあわてて、逃げだそうとします。
 そう、実は彼女もみどろさんの魔術で美少女の姿を手に入れていたのです。
 あ、これって私が先週提唱した「みどろさん、ある日二つにわかれた」説の傍証になりませんかね?ならんか。
 そして、12時ジャスト。彼女の顔は崩れだし、思わず顔を伏せます。そこに急スピードでやってくる一台の自動車。
 シロー君は彼女を身を挺して守り、かわりに轢かれます。
 すでに姿はもとの無骨な体育会系スタイルに戻り、ハラワタは飛び出、顔中血まみれながらも、立派な漢の顔です。
 そして、やはり元の姿に戻った友梨さんに対し、「キミは綺麗だ」と断言し倒れます。漢です。
 そんなシロー君の死を目の当たりにし絶望した友梨さんは海に身を投げてしまいます。ああ、殉愛ここに極まれり。
 それから半年後、奇跡的回復を見せた二人は肩を並べて病院を退院します。そんな幸せそうな二人の横を幻のようにみどろさんがすり抜けてゆくのでした。

 とゆうわけで、今週は結構イイ話しでした。
 まあ、みどろさんは魔術をかけた後は基本的にほったらかしみたいだから、今回のハッピーエンドは純粋に二人の心やさしさが生んだものでしょう。すばらしいです。ラーフラさんも今回みたいな話を知っていればきっと悪魔呼ばわりをやめることでしょう。
 
 次週、センターカラーでラーフラさんが大復活!さらなる境地を目指しどっかに向かうみたいです。
 そして、「涅槃新聞」発行!(なんですかそりゃ?読めば寿命が3日縮むとゆうアレですか?)
 今年の夏は涅槃が熱い!