姑獲鳥の夏『魍魎の匣』公開記念版 [DVD]
 「ストーリー」
 「20ヶ月間も赤ん坊をみごもっているという不思議があるのだろうか?」
 なりゆきでその噂を調査することになった小説家の関口は、歴史ある病院に過去の因縁に巻き込まれる。まさに妖怪うぶめの仕業としか思えない怪事件に、古本屋と神主と陰陽師の3つの顔をもつ京極堂が事件を解明するために動き出す。
 「この世には不思議なことなど何もないのだよ」



 「感想」
 京極堂シリーズの2作目「魍魎の匣」の映画公開間近ということで、おさらいしようと思い、「姑獲鳥の夏」を久しぶりにみてみました。
 原作小説は大好きなシリーズなんですが、本映画に関しては残念ながら、原作の知識なしで映画単体で楽しもうとうするのは難しいと思います。
 とはいえ、200ページぐらい平気でしゃべる京極堂の長ゼリフをよどみなく演技した堤真一さんはすごいし、永瀬正敏さんの演じた小説家の関口さんはみごとに情緒不安定で関口さんそのものでした。
 また戦争の爪あとが残る昭和二十七年の東京というどこか異国めいた時代を、実相寺昭雄監督がみごとに演出されており、いい感じに悪趣味な映画になっていると思います。
 「姑獲鳥の夏」は長いシリーズの第一作ということで、まだ顔見せだけの登場人物が多いので、今後の映画シリーズも期待したいと思います。
 個人的には永瀬正敏さんの降板が残念ですが。