ドリームノッカー―チョコの奇妙な文化祭 (電撃文庫)

ドリームノッカー―チョコの奇妙な文化祭 (電撃文庫)

「ストーリー」
 文化祭で公演する「トイボックス」という演劇の主役に抜擢された演劇部一年生のチョコ。(表紙イラストのショートカットの女の子)。けれども、この「トイボックス」にはいわくがあり、チョコは親友の夢野ほとり(髪の長いほうの女の子)と、夢と現実が交錯する、奇妙な事件にまきこまれていくという、少し不思議なお話です。




 「感想」
 手に取ったのは百合っぽい表紙だからではなく、「チョコの奇妙な文化祭」というタイトルに魅かれたからです。
 そしてあらすじを見て文化祭のいわくつきの劇ということで真っ先に大好きな小説「六番目の小夜子 (新潮文庫)」を連想したからです。
 誇れた話ではないですが、私は中学高校大学と文化系クラブ一筋だったため「文化祭」というイベントには何がしか思いいれがあります。
 ハレの日なんてよくいわれますが、やはり学校という日常(三十路を超えると、学校生活そのものが非日常という気がしてくる)において、時々訪れる非日常の時間には、浮き足立つようなわくわくするようなそういうなにかがあるように思います。
 よくある設定に狙ったようなキャラクターと一刀両断することもできるけれども、この小説には文化祭前の独特の雰囲気がよくでていて、なんだかノスタルジックな気分にひたれました。