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涅槃姫みどろ 厄の48 「極楽夢気分」
南国のビーチで極楽夢気分でバカンスを楽しむ二人の詐欺師。
兄貴分の男は、今回うまくいった仕事は占い師にヒントをもらったという。
その占い師とはもちろん、みどろさん。
和装の占い師に扮したみどろさんは、男から仕事の相談をもちかけられると、やおら筮竹を取り出したと思いきや、なんとそれは南京玉すだれ。
こんなもん、太秦の映画村ぐらいでしかみたことねぇ・・・。
驚く男(そりゃそうだ)の目の前で南京玉すだれが形作ったものはなんと「猫」。なにげにすごい隠し芸だと思います。
「なんだ?猫?猫が関係してるのか?」
戸惑う男に「解釈はご自由に」と突き放すみどろさんなのでした。
みどろさんのご宣託に頭を悩ます男が、見かけたのは街頭募金活動中の少年少女。
「うるせぇ!もっと金持ちにたかりやがれ」
どっかの大臣みたいに思いついても口に出来ないことを平気でいってのける男。
べつにしびれないし、憧れませんが。
だが、募金箱をみたとき男は閃いた!
本当の正拳の握り方は、菩薩像の握り方だということを。スイマセン。嘘です。
男が思いついたのは「ニャンニャン詐欺」。
電話がかかると猫の声が聞こえてきて、お金を振り込むよう要求されるという・・・。
スイマセン。嘘です。話を戻します。
男は病気の猫ちゃんをひきとって育てる「ネコちゃん救援ハウス」を山奥の一軒家で始めると、治療費集めのための募金を始めたのでした。
TVの取材が押し寄せ、「ネコちゃん救援ハウス」は話題になり毎日すごい金額の寄付が振り込まれてきます。なにしろ犬が崖っぷちにいただけで大騒ぎするお国柄です。そりゃ、募金もあつまるでしょう。
ウタ理ははかなりの寄付をせしめると、いまの仕掛けを深追いせずに、金だけ持って海外脱出をすることにします。
けれども逃げる前にすることがあります。
それは集まった病気の猫をどうするかです。
彼らは猫たちを地下倉庫に閉じ込めてしまうと、そのまま「ネコちゃん救援ハウス」を閉鎖すると、海外脱出してしまうのでした。
それから2週間。バカンスを満喫する二人の前にみどろさんが現れます。
「ドリンクお持ちしました」
何故かウェイトレスです。厄いところにどこでもあらわれます。
「何でここに?」という男の問いをいつもどおりスルーするみどろさん。
とりあえずお礼をいう男に対してみどろさんは、真実を告げます。
「あらまだ気付かないのね・・・。2人とも地下倉庫の階段からすべり落ちた事に」
そう、書くのが面倒だったのではしょりましたが、ネコの最後の一匹を投げ込もうとしたとき、彼らは暴れだしたネコに体勢を崩して地下倉庫に落ちそうになっていたのでした。普通に脱出した描写があったけれでも、どうやらこのあたりからすでにみどろさんの幻術がはじまっていたのかもしれません。(もう、なんでもありだね)
「厄いわ」
みどろさんがそうつぶやくと、常夏の空は暗転し、満月の輝く夜の闇につつまれます。
そして、ビーチにいた人々は怪奇ネコ人間へと変貌をとげていくのでした。
ギャアアア。
断末魔の声がこだまする。
一方、山奥の「ネコちゃん救援ハウス」では警官によって地下倉庫から行方不明になっていた2人の死体が発見されます。
ネコと一緒に閉じ込められていた2人の死体はすでに白骨化しており、警官たちは猫たちの思わせぶりな舌なめずりを見て恐ろしい想像をするのでした。
そして、みどろさんはというと、ビーチで黒猫を抱いてリラックスムード。
最後に黒猫がニャーとないて、今週は涅槃エンド。
もしも、犬とネコが戦争を始めたならば、われわれ人類はどう対応するべきなのだろうか?
まあ、それはどうでもいいんですが。
さて、以前犬の話がありましたが、今回はネコの話です。
やはりネコを題材にしたほうがホラー的にははまりますね。
ところで、最後にみどろさんがいるのは男たちが描いた幻のビーチなわけで、そこでバケーションを楽しんでるあたり、全部みどろさんが仕組んだんじゃないかって気がしますよね。
「厄いところにみどろあり」
だったら厄い連中に南国に行ってもらえばいいじゃない、そしたらただで南国いけるしーって感じ?