涅槃姫みどろ 厄の41 「懺悔」


 扉絵はみどろさんのドアップ!
 バキみたいにそのうち左目だけとかになったらどうしよう・・・。

 
 トレッキングにでかけ冬山で遭難し、避難して洞窟に閉じ込めれられてしまった大学生達。救助の見込みもたたず、最後の食料であるチョコレートを5等分するもお互いを思いやるK君、T君、Yさん、Nさんの4人と、当然のようにいるみどろさん
 以前、高校の制服姿で登山に挑んだみどろさんですが、さすがに今回はコートとか着てそれっぽい格好してます。ヒールの高いブーツを履いてるみたいですが。
 まあ、さすがに大学生のサークルのなかに入りこんでるんで、制服姿はありえないわけですが、大学生に混じってるほうが違和感ないですね。


 「みんなの優しさに甘えるつもりじゃないんだけど・・・。俺、死ぬ前に一つだけ懺悔したい事があるんだ・・・。言っていいかな?」
 死を目前にしてT君が語りだします。
 中学の卒業式の日、いじめられっこを胴上げして、ふざけて全員で手をひいて落としてしい半身不随にしてしまったことを・・・。
 そのアイディアをだした人物こそT君であったことを彼は涙ながらに懺悔します。
 「後悔してるんでしょ。だったらいいと思うな」となぐさめるYさん。
 しかし、Nさんは半身不随にしてしまった男の子の名前を確認すると叫びます。
 「私のお兄さんよ!」
 な、なんだって!!
 「兄さんを返して!」とT君につかみかかるNさんを止めながらリーダー格のK君がいいます。
 「ちょっとここで暴れないで!洞窟が崩れたら全員死ぬぞ」
 「ど、どうせみんなここで死ぬんだ!」
 開き直ったT君が叫ぶと洞窟は再び静寂を取り戻します。みどろさんはただみてるだけ。
 「ね、ねぇ・・・私も懺悔したいことがあるんだけど・・・」
 そういってYさんの懺悔がはじまります。
 高校時代、むしゃくしゃしていたYさんはたまたま電車内で居合わせたオヤジを痴漢だといって騒いだら、そのオヤジは逮捕され裁判で有罪となり勤めていた市役所もクビになってしまったことを告げます。
 「それって3年前?市役所の局長?」
 そう確認するK君に「うん」と答えると、
 「俺の親父だよ!」
 ブルータス、お前もか!?
 今までリーダーらしく紳士然とした態度をとっていたK君もさすがにマジギレしてYさんにつかみかかろうとするのを今度はT君が止めます。
 「やめろよ!お前が言わせたんじゃないか!彼女は今自分の罪を告白したんだ。それだって勇気がいるんだぞ」
 そういわれたK君は
 「くそ!誰だって過ちを告白すれば気持ちいいさ!お前らばっか勝手に気分よくなりやがって!」というと、彼もまた高校時代、二十歳の看護師と付き合っていて、捨てたらそのまま自殺してしまったことを懺悔します。
 「それ私のお姉ちゃんよ!」 
 今度はYさんが叫びます。
 一同大パニック、読んでるこっちも頭がおかしくなりそうです。
 「あは、あはは、どうせみんな死ぬのよ!それじゃあ私も懺悔するわ」
 最後に残ったNさんも懺悔をはじめた。
 Nさんの彼氏がYさんと密かに付き合いだしたことに気付いた、NさんはYさんを事故を装って亡き者にしようとたくらみ、今回のハイキングを計画し、パーティを道から外れるように仕向けたことを・・・。
 「あんたを殺してやろうと思ってたのよ!」
 Yさんに向かっていいきるNさん。
 するとなぜかT君がYさんにつかみかかります。
 「この前、俺と付き合いたいって言ってたじゃねぇか!本気にしてたんだぞ!」 
 もうわけがわかりません。
 「みんな死ねばいいのよ」
 と逆ギレするNさんに、
 「お前から先に殺してやる!」
 「死ねばいいのはあなたよ!」
 と口々に叫び大喧嘩する4人。
 このときK君とT君がつかみ合いをしてますが考えてみたらこの二人が争う理由ってないよね・・・。
 そのときロウソクが倒れ、洞窟は闇に包まれます。
 原初の暗闇の恐怖の前に、自分達の今おかれている状況を思い出し喧嘩をやめる4人。
 ロウソクを灯しながら「争ってもしょうがないよな」と和解したところで、
 「ふふふ、私も最後に懺悔するわ」
 ついに、みどろさんが動いた!
 「みんなが助かる事をしってて言わなかったの、そうよ」
 雪に埋まった洞窟の入り口を指差すみどろさん
 「ふふふ、これからが厄いわね
 ドオオオオン  
 洞窟の雪が発破で飛び散る!
 「おーい、大丈夫か?」
 救助隊隊員が叫びます。
 「え〜、只今大学生4名を発見!」
 本部に連絡する救助隊員。何気にみどろさんは頭数にはいっていません。やはりいつのまにか洞窟に入り込んだんでしょうか?
 「ほら、バカ学生ども助かって良かったな」
 そう口の悪い救助隊員が叫ぶ4人はお互いをにらみ合ったまま動きません。いや、動けません。
 お互いの罪を知ってしまった今、果たしてこの4人にはいかなる人生が待ち受けているのでしょうか?
 少なくとも厄い人生ということは間違いなさそうです。
 


 なんとなく4人がそれぞれ関連する罪を背負っているんだろうとは途中から推測ができたけれども、みどろさんの懺悔のタイミングが絶妙すぎて、本当にみどろさんは人が悪いなあと思いました。