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マリア様がみてる 25 大きな扉 小さな鍵 (コバルト文庫)
- 作者: 今野緒雪,ひびき玲音
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2006/10/03
- メディア: 文庫
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さて、今巻はリリアン名物「ヴァレンタイン企画」についてわきあいあいと話し合う「キーホルダー」と瞳子ちゃんの秘密が明かされる「ハートの鍵穴」の2部構成です。
「キーホルダー」
ヴァレンタイン、それはアメリカの進駐軍のジミー・ヴァレンタイン少佐が占領下の日本の子供達にチョコレートを配ったことに端を発する・・・ってゆうネタは「究極超人あ〜る」だっけ?まあいいや。
とりあえず、去年行って好評だった「ヴァレンタイン企画」を今年もやろうと画策する新聞部。すでに3年生への根回しは万全だ。
しかし、そういうやり口に反感を覚える由乃さんだが、すでに薔薇様としての風格を持ち出した祐巳さんに逆に諭されてしまいます。
こんなの祐巳さんじゃない!環境が人を変えるのか?それとも瞳子ちゃんへの思いが変えたのか?そのあたりは今後の展開でわかってくるのかもしれません。
また、この話のもう一つの見所は、大変珍しい志摩子さんと乃梨子ちゃんの口論シーン。でも実はお互いを思うあまりに空回りしていたことがわかり、ラブラブ度は上昇。
この二人はアレですね。夫の大事な金時計の鎖を買うために自慢の金髪を売った妻と、妻の自慢の金髪に似合う櫛を買うために大事な金時計を売ってしまった夫婦みたいな関係なんでしょうね。
「ハートの鍵穴」
瞳子ちゃんの秘密が明かされるわけですが、志摩子さんの秘密と同じく傍からみたら別に大した秘密とは思えませんでした。(今のところ)いや、思春期爆走中の少女にとっては重要なことかもしれませんがね。
とりあえずなぜかキーパーソンが柏木で、この人どんどんテリーマン化していくなあ、とか思いました。
俗にいうテリーマン現象には二通りの意味があり、新しい敵が出たときにとりあえず負けたり引き分けたりして相手の実力をはかるという役割を担うという意味と、最初でたときは嫌味なヤツだったのが気付いたらいいヤツになっていたという意味があります。この人の場合は後者。
ってゆうか、なんで俺は「マリみて」の感想でテリーマンについて語っているんでしょうか?こっちのほうが長くなりそうなんでこの話題は強制終了。
まあ、結局瞳子ちゃんもナイーブな女の子なだけに空回りして、自分も他人も傷つけてしまうというのが読んでて悲しかったです、
「レイニーブルー」のときに「邪魔だ!ドリル!」だなんて思ってしまってゴメン。
でも、最後に全てを失ったと思い崩れ落ちる瞳子ちゃんを、支えるために現れた乃梨子ちゃんは本当に偉いと思いました。
ああ、これなら大丈夫だ。友情っていいもんだね。