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涅槃姫みどろ 厄の38 「幽霊屋敷」
「・・・というわけで、怪現象が起こると視聴者から情報が寄せられた廃墟前に到着いたしました」
みどろさんの棲むお屋敷をさしてTVリポーターはいいます。
今回はTVの心霊番組の撮影班が厄いめにあうようです。
「凄い!相当な怨念が吹き溜まっています」
ダウジングロッドをもって心霊プロイファイラーの堀さんが世にも恐ろしいという顔でいいます。
一方、「怪現象なんかばかばかしい。全部科学で説明がつくんだ!」
とお約束なセリフを吐くのが心霊現象否定派の論客茨木博士です。
そして、今回みどろさんの棲みかをマスコミにリークしたのは、悪夢先案内人ことメルトくん。うまいこといいますね。
てゆうか、存在そのものを忘れてました。
普通にテレビにでてるみたいなんですが、人形だったとい設定はどうなったんでしょうか?
さて、メルトくんの案内で屋敷に入って行った取材班。ちなみにリポーター、堀さん、茨木博士、カメラマンの4人です。
メルトくんはお得意のバッドエンドのみえるという特殊能力を駆使して取材班を誘います。
まず最初に案内された部屋にはいると、
「不気味な部屋ですわ」とつぶやく堀さん。
それに対してすかさず「夜中に懐中電灯で照らせばどんな部屋も不気味に決まっておる」と茨木博士は得意げにいいます。
番組的にはなかなかいいコンビのようですが、カメラはまわっていません。
堀さんがダウジングロッドをとりだし、心霊プロファイルをはじめると、
「この家では殺人事件がありましたね。それも一度じゃない・・・。多くの霊魂がこの世に執着を残しています」といいだします。
すると、机の上の人形をすたオルゴールが突然鳴り出します。
「霊たちがざわめいているのです」
という堀さんに対して、茨木博士は
「古いオルゴールてっのは、温度が上がるとギアの間の油が溶けていきなり音がするんだ」と科学的に説明してみせます。
つまり、取材班は部屋にはいってことによって温度が変わったことに原因があるようです。
この世には不思議なことなどないのだよ。
そんな茨木博士にくってかかる堀さん。
二人は。霊現象か自然現象かで言い争いますが、もちろんみどろさんのお屋敷です。こんなものはまだまだプロローグにすぎません。
退屈してきたメルトくんは先を促すのでした。
次の部屋はみどろさんの絵画コレクションがズラリと陳列された部屋です。
おそらくどの絵も厄いいわれがあるのでしょう。
ここでもある絵について霊現象か自然現象かで言い争う二人。
リポーターがその絵をのぞいてみると、
「ヒヒヒヒィ〜」
とムンクの「叫び」を思わせる絵画から奇妙な音が聞こえるのでした。
「うわ、何か変な声のようなものが・・・」
思わずのけぞるリポーターに対して、茨木博士は
「それは温度の変化で家の木材が鳴ってるだけ!」
とぞんざいに答えます。しかし、堀さんも負けてはいません。
この現象はこの屋敷で殺された人が乗り移っていて泣いているのだといいはります。
そこで、茨木博士はおもむろに床を踏み鳴らすと、絵からの奇声はやんでしまいます。
「夜急に冷え込んだから古い家屋がきしんでいるんだ!」といいさらに
「私は今まで胡散臭い怪現象をすべて解き明かしてきた!」と豪語します。
「胡散臭いとは何ですか!」と反論する堀さん。二人の論争がまたもや始まろうとしたとき、リポーターが再び絵のほうを指し示します。
見ると絵に描かれた人物の顔が微妙に変わり、
「オホホホホ!」
とこの世のものとは思えない奇声を発して踊りだすのでした。
ありえない出来事に取材班はパニックをおこします。
堀さんは青ざめ「本物は困ります!私の役目は心霊プロファイルだけって最初に事務所からお伝えしているでしょう」と逆切れします。
本当は怖いのダメだったんですね。
一方、茨木博士は興奮して
「ついに私は科学で説明できない現象を目の当たりにした!断言しよう、超常現象は実在する」といいます。
こちらも本当は怖いのが大好きだったみたいです。
二人とも本心を隠していたのですが、ある意味プロといえなくもありません。
帰ろうと言い出す堀さんに対して、茨木博士は冗談じゃないとまた言い争いがはじまります。
そんななかメルトくんは、「もっと奥にいけばもっと凄い現象が起こるって!」と取材班にいいます。
「私もジャーナリストのプライドがあります!歴史の証人になりましょう」とリポーターは無茶なことをいいだします。
ちなみにこの手の心霊番組で本物の霊現象が写ってしまった場合、基本的にお蔵入りになるのが普通らしいです。
まあ、いいやみどろさんワールドだし。
結局取材続行となり最後の扉を案内するメルトくん。
なんとそこはみどろさんの寝室への扉。
実は取材班をたきつけ、みどろさんのあられもない寝姿をカメラの前にさらそうというのがメルトくんの魂胆なのです。
そう、これは復讐なのだ。
そして、みどろさんを辱めた取材班もみどろさんの怒りにふれ当然皆殺し。
メルトくんの策に死角はありません。
てゆうか、勝手に家に入り込んで許可なくプライバシーを撮影されたものがオンエアされるとは思えないのですが、まあみどろさんワールドだからいいか。
そんなわけで、みどろさんの寝室に突入する取材班。
いま禁断の扉が開かれた!
部屋の中には天蓋つきのやたら豪華なベッドがあります。
リポーターが懐中電灯で照らすと、ベッドには女性の姿がみえます。
「お、女の幽霊!?」
そういいながらベッドを覗き込む取材陣。
「キャッ」
そう悲鳴を上げたのはなんとあしゅら執事。
「誰じゃ!ここはプライベートルームですぞ」
てゆうかなんでこの人は女性用のネグリジェなんてきてるんでしょうか?
「ひえええ」とおどろく取材陣。当然です。
「うそ!たしかにみどろの寝室のはず」おどろくメルトくん。これが福本作品ならば、ぐにゃあと世界が歪んでいるところです。
「こら」そういって後ろからあらわれメルトくんの耳をつかむのはもちろんみどろさん。
メルトくんは土下座して謝るのでした。
そして、またもやパニックを起こしている取材陣に対してみどろさんは「厄いわ」とつぶやくと・・・。
お屋敷があったと思えないようなせまい空き地で目覚める取材班。
夢か現実かも判断もつかずに、彼らはただ狐につままれたような顔をするのでした。
「奸計にはまった一般人を殺すほど愚かではない」といわんばかりの蜂蜜のようにスウィートな涅槃流裁きでした。
今週の見所はなんといっても、イメージカットのみどろさんのネグリジェ姿でしょう。
だが、私は断固として裸にワイシャツを推しますね。(なんの話だよ)