涅槃姫みどろ 厄の23(単行本3巻第弐拾六夜)   
        「苦行(タバス)」

 
 どこへいっていたンだラーフラさん。俺達はキミの帰りを待っていた!
 というわけで、自称みどろさんのライバル、ラーフラさんが再登場です。
 ラーフラさんはみどろさんに負けてから、大仏を前に一心腐乱に念仏を唱え続けます。その間、なんと3日!
 ラーフラさんはあらたなる悟りを得るために、山岳苦行に向かうことを決意します。
 3日も居座られていた、お坊さん方もやっと帰ったと一安心です。
 そんなお坊さん方とすれ違う一人の尼僧。

 うわー、やっぱりみどろさんじゃあ。くそう、流行の巫女さんやシスターに媚びないこの姿勢。新たな萌えの領域をみせようとゆうのか!恐るべし!コスプレ姫!(こう書くとAVのタイトルみたいだ)果たして今回の彼女の目的とは?



 ところ変わって、ラーフラさんは山岳修行の中心となったといわれる霊峰に到着し、そこで同じく苦行の道に進まんとする僧、空心と出会います。
 自らマムシに指を差し出しかまれることを苦行とする空心にすっかり心酔してしまったラーフラさんは、共に山頂に向かうことにします。
 その後、落石、熊の襲来などのアクシデントにあいながらも、ついに山頂を目前にする二人。(さらっと流してますが、この数ページは並のネタマンガ一本分に匹敵する濃さでした。ごっつぁんです。)二人は最後の難関、山頂への崖のぼりに挑みます。
 苦しみつつも崖をよじのぼるラーフラさんはどこか晴ればれとした表情で叫びます。「我が苦を喜びに!」どうやら何かに目覚めつつあるようです。  
 しかし、崖の傾斜はいよいよ厳しくなり、ラーフラさんは崖から手を滑らせてしまいます。幸い崖の突き出た部分に落下したため、大きな怪我はないようですが、へそ出しルックにサリーのようなロングスカートで崖のぼりなんかすんな! 
 一方空心も手を滑らし崖から落下します。腕も首も異常な角度に折れ曲がり、どうみても死んでいてもおかしくない状態であるにも関わらず、再び崖のぼりに挑もうとします。
 「あと少しで頂上。あと少しだキョー!」どうやら何かに目覚めたようです。
 まるでゴキブリのような猛スピードで崖を這い進む空心。しかし、再び手を滑らせて落下。さすがに死ぬだろうこれは。
 ところが、両手両足は折れ、片目は飛び出しはらわたまで飛び出した状態になっても生きている空心。彼は自らの姿を見て歓喜の声をあげます。
 「やった、やったぞ!ついに私は先人の苦行を超えたー」
 そう、実は彼は苦行を極めんと欲し、あらゆる苦行に耐えられる肉体をみどろさんに依頼し薬草を煎じてもらっていたのです。なんとも薬(やく)い話です。
 「それは薬(やく)いじゃないわ」ラーフラさん、ナイスツッコミ!
 「さあ、どんどん上にキョー」
 すでにあちら側にイってしまった空心に愛想を尽かしたラーフラさんは彼を持ち上げると「バカタレ!」とゆうかけ声とともに彼を一気に崖下まで投げ飛ばします。
 「むう。あの技は雛腐烈苦主(すうぷれっくす)」
 「なにー、しっているのかジェイソンーっ!」
 「あれは、シャカ族に伝わる伝説の格闘術、シッダルータ流柔術の奥義。まさかこのような技がいまに伝わっていようとは・・・。」
 ちなみに、出家前のお釈迦様は格闘技にかなり精通していたというのは本当らしいです。

 まあ、いつもの小ネタはおいといて、投げ落とされた空心は「ギャアアア!痛ぁい!」と壮絶な叫びをあげたあと、「でもうれしい、もっと」と小声でうなります。ワンターレン、どエム確認! 一方、ラーフラさんはそんな空心を尻目に、アハハハと高らかに笑うのでした。こちらも何かに目覚めたようです。 

 エピローグ
 山から戻ったラーフラさんは、みどろさんの前に立ちふさがります。
 「よくもやってくれたわね」
 「あらひさしぶりね。学校の単位は大丈夫?」みどろさんは余裕です。
 ラーフラさんは「苦行のための苦行からは何も得られないというもっと大きな真理を得たわ」といっきにまくしたてます。
 「これは、釈迦が最後の悟りを開く前にたどり着いた境地とおなじなのよ」と得意そうにいいます。
 いや、それぐらい手塚治虫先生の「ブッダ」を読めば書いてあるし・・・。
 まあ、本で得る知識と現実に体験して得る知識とでは雲泥の差なワケで、そういう意味では今回ラーフラさんは貴重な体験をしたといえましょう。・・・そう思わないと不憫すぎです。
 最後に「覚えてなさい」と捨て台詞を吐くと、ラーフラさんは去っていきました。
 みどろさんは「楽しみね」と不敵にわらうだけでやはり余裕です。


 
 とゆうわけで、今回の「苦行(タバス)」いかがだったでしょうか?
 正直、いくらツッコんでもツッコんでも、ツッコみたりない、「涅槃新聞(早い話が埋め草コラム)」で紹介された「みどろが池」の底なし沼のような恐ろしい話でした。ちなみに下書きしてたら大学ノート2ページにわたってしまいました。てへ。
 もう疲れたんで、今宵はここまでにしとうございます。
 なお、「みどろが池」ですが、本気で厄いホラースポットらしいので、肝試しとか軽い好奇心とかでは絶対近づかないほうがいいです。


7/31追記
 sinsenさんの「グレースタイル」というHPでも、今週のみどろさんの感想をアップされています。
 こちらは、直接本誌から絵をキャプチャーされてるので、ウチと違ってとても解りやすくておもしろいです。
 ぜひ、一度ごらんになってください。
 http://sinsen19.mongolian.jp/index.html